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大臣の格付けランキング:どの省庁の大臣が内閣総理大臣に出世していったかを紹介

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国務大臣はどの職も重要な役職ですが、総理大臣職へとつながる重要な中継地点でもあります。ですが、戦後の総理大臣経験者47人が総理大臣になる前に経験した大臣職を集計したところ、総理大臣になった人が過去に経験した国務大臣職には偏りがあります。

そこで、総理大臣が務めた国務大臣職をランキング形式で紹介します。

※関連記事:歴代内閣総理大臣の在職日数ランキング(1~20位):在職日数の長い首相、短い首相

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大臣の格付けランキング

戦後以降の47人の総理大臣経験者が務めた大臣職を、人数の多い順に紹介します。

大臣職の名称は現在のものに合わせています。

※関連記事:【日本の国務大臣】大臣の職務内容を省庁ごとに紹介

1位:総務大臣(15人)

第一位は総務大臣でした。47人の総理大臣経験者のうち、実に15人が総務大臣を経験していました。

総務大臣を務めた後に総理大臣になった人

佐藤栄作氏、田中角栄氏、中曽根康弘氏、小泉純一郎氏など。

現在でいう「総務大臣」をしたこれらの方たちは全員、その前後に文部科学大臣や内閣官房長官などほかの大臣職も経験していました。

総務大臣は行政全般や選挙管理を管轄しています。内閣総理大臣は「行政のトップ」としての役割を担うため、その仕事につながる経験ができるのかもしれません。

2位:財務大臣(13人)

第二位は財務大臣でした。

47人の総理大臣経験者のうち、13人が財務大臣経験者でした。

財務大臣を務めた後に総理大臣になった人

竹下登氏、宮澤喜一氏、麻生太郎氏など。

国民の生活の基礎となる経済を担う重要なポストですから、この職務の経験は内閣総理大臣になっても非常に役立ちそうです。特にバブル崩壊後は「財務の分かる人」が内閣総理大臣にふさわしいとされていたことも関係しそうです。

3位:外務大臣/経済産業大臣(11人)

第三位は外務大臣でした。

47人の総理大臣経験者のうち、11人が外務大臣や経済産業大臣の経験者でした。

外務大臣か総務大臣を務めた後に総理大臣になった人

幣原喜重郎氏、吉田茂氏、大平正芳氏など。

外務大臣は外国との相談・調整を担う重要なポストであり、アメリカや中国・韓国など経済・軍事などで重要な相手国との関係を築く人も多いです。

外務大臣時代の経験や人脈が内閣総理大臣になってからも大きく役立ちそうです。

5位:内閣官房長官(9人)

第五位は内閣官房長官でした。

47人の総理大臣経験者のうち、9人が内閣官房長官経験者でした。

※関連記事:歴代の内閣官房長官一覧

内閣官房長官を務めた後に総理大臣になった人

鳩山一郎氏、小渕恵三氏、安倍晋三氏、福田康夫氏、菅義偉氏など。

内閣官房長官は政府の中枢で、内閣総理大臣とも近い位置にいます。特に政策が多様化していく平成以降はその重要性が増しています。

総理大臣になった内閣官房長官経験者9人のうち、平成以降に総理大臣になった人が5人もいます。

内閣総理大臣の省庁別大臣経験数一覧

前述のランキングに載せたものも含めて、内閣総理大臣になった人が省庁別に経験した大臣職を表にまとめました。

大臣職大臣経験者数
(実人数)
総務大臣15
財務大臣12
外務大臣11
経済産業大臣10
内閣官房長官9
文部大臣6
農林水産大臣5
国土交通大臣・厚生労働大臣4
防衛大臣3

※関連記事:女性大臣:日本の歴代内閣での女性大臣の人数と女性が任命された大臣職を紹介

内閣総理大臣としての政策に大臣時代の経験がどのような影響を与えたか

日本の歴代総理大臣は、総理大臣になる前にさまざまな大臣職を経験しており、その経験は内閣総理大臣としての政策に大きな影響を与えています。

以下は、いくつかの具体例を挙げて説明します。

安倍晋三氏(第90代、96代、97代、98代総理大臣)

安倍晋三元首相は、内閣官房長官や自由民主党幹事長を歴任しました。

内閣官房長官時代の経験は、安倍氏のリーダーシップスタイルや危機管理能力に影響を与えました。

第一次安倍内閣(2006年 – 2007年)では教育改革や憲法改正の推進を試みましたが、辞任後の第二次安倍内閣(2012年 – 2020年)では経済政策「アベノミクス」に注力し、内閣官房長官時代の調整力を生かして安定した政権運営を行いました。

麻生太郎氏(第92代総理大臣)

麻生太郎元首相は、総務大臣(2003年 – 2005年)、外務大臣(2005年 – 2007年)、財務大臣(2008年)を歴任しています。

外務大臣時代の経験から外交政策に精通しており、総理大臣在任中は経済危機への対応に加え、外交政策の強化を図りました。また、後に財務大臣としての経験は、副総理としての経済政策や予算編成に大きな影響を与えました。

菅義偉氏(第99代総理大臣)

菅義偉元首相は、総務大臣(2006年 – 2007年)や内閣官房長官(2012年 – 2020年)を歴任しました。

総務大臣時代には地方分権や行政改革に取り組み、内閣官房長官としては政府の一体化を推進しました。

総理大臣としては、これらの経験を活かしてデジタル庁の設立や携帯電話料金の引き下げなど、行政改革やデジタル化を推進しました。

小泉純一郎氏(第87代、88代、89代総理大臣)

小泉純一郎元首相は、厚生大臣(1988年 – 1989年)、郵政大臣(1992年 – 1993年)を歴任しました。

厚生大臣時代の経験から社会保障制度改革に関心を持ち、総理大臣としては「痛みを伴う改革」を掲げ、郵政民営化や経済構造改革に取り組みました。

橋本龍太郎氏(第82代、83代総理大臣)

橋本龍太郎元首相は、大蔵大臣(1989年 – 1991年)、厚生大臣(1986年 – 1987年)などを歴任しました。

大蔵大臣(現財務大臣)としての経験は、総理大臣在任中の財政構造改革に影響を与えました。消費税の増税や行政改革を推進し、経済政策の方向性を決定づけました。

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※関連記事:歴代内閣の最低支持率ランキング

『今だから言えること 歴代首相の素顔が語る、日本の光と影』

歴代首相の人柄や裏話が書かれているシリーズです。

著者は元朝日新聞編集委員で政治評論家、ジャーナリストをしていた国正 武重氏です。

『湾岸戦争という転回点』(岩波書店)で日本記者クラブ賞を受賞し、『権力の病室―大平総理最期の14日間』(文藝春秋)、『後藤田正晴語り遺したいこと』(岩波書店)など、多数の著作があります。

小沢一郎氏・菅直人氏・鳩山一郎氏/由紀夫氏親子・田中角栄氏など↓


今だから言えること 歴代首相の素顔が語る、日本の光と影

細川護煕氏・田中角栄氏・野田 佳彦氏など↓


今だから言えること2 歴代首相の素顔が語る、日本の光と影 今だから言えること 歴代首相の素顔が語る、日本の光と影

野田佳彦氏・安倍晋三氏・土井たか子氏・宇野宗佑氏など↓


今だから言えること3 歴代首相の素顔が語る、日本の光と影 今だから言えること 歴代首相の素顔が語る、日本の光と影

竹下登氏・宮澤喜一氏・加藤紘一氏など↓


今だから言えること4 「何故、伊東正義さんは、総理大臣のイスを蹴飛ばしたのか」 今だから言えること 歴代首相の素顔が語る、日本の光と影

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まとめ

いかがでしょうか。

歴代総理大臣が過去にどの国務大臣を経験していたかをランキング形式で紹介しました。

国務大臣職はどれも非常に重要な役割を担っていますが、総務大臣になった人の6割は総務大臣、財務大臣、外務大臣、内閣官房長官のいずれかを経験していました。

国務大臣としての経験は内閣総理大臣就任後の政策にも影響を与えており、国務大臣の経験はそれだけ日本の政治的かじ取りにも重要だと分かります。

※関連記事:歴代内閣総理大臣の出身地別人数

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