世界の女性議員の比率は年々増加しており、政治における女性の役割がますます重要になっています。女性議員は政策決定において独自の視点を提供し、社会的課題への対応に貢献しています。
しかし、女性議員が直面する課題や、ジェンダー平等を進めるための改革が依然として求められています。
この記事では、世界の女性議員の現状やその影響力、増加傾向の背景、各国のランキングや日本の課題について詳しく解説します。
世界の女性議員の割合
世界の女性議員の割合状況をまとめました。
列国議会同盟(IPU:Inter-Parliamentary Union)という、1889年に設立された国際組織による調査結果をもとにしています。
女性議員の割合(ランキング)
まず、2024年12月時点での女性議員の割合をまとめました。下院(日本でいう衆議院)の女性議員比率です。
国名 | 女性議員の割合(%) | |
1位 | ルワンダ | 63.8 |
2位 | キューバ | 55.7 |
3位 | ニカラグア | 53.9 |
4位 | ナミビア | 52.9 |
5位 | メキシコ | 50.2 |
6位 | アンドラ | 50 |
6位 | アラブ首長国連邦 | 50 |
8位 | コスタリカ | 49.1 |
9位 | スウェーデン | 46.7 |
10位 | ボリビア | 46.2 |
11位 | フィンランド | 46.0 |
11位 | アイスランド | 46.0 |
13位 | モナコ | 45.8 |
14位 | ニュージーランド | 45.5 |
15位 | デンマーク | 45.3 |
16位 | 南アフリカ共和国 | 44.7 |
17位 | ノルウェー | 44.4 |
18位 | スペイン | 44.3 |
19位 | エクアドル | 43.1 |
20位 | アルゼンチン | 42.4 |
21位 | ベルギー | 41.3 |
21位 | エチオピア | 41.3 |
23位 | モルドバ共和国 | 40.8 |
24位 | イギリス | 40.1 |
25位 | アンゴラ | 39.6 |
26位 | ガイアナ | 39.4 |
27位 | 北マケドニア | 39.2 |
28位 | カーボベルデ | 38.9 |
29位 | オランダ | 38.7 |
30位 | ペルー | 38.5 |
30位 | スイス | 38.5 |
32位 | ブルンジ共和国 | 38.2 |
33位 | オーストラリア | 38.0 |
33位 | セルビア | 38.0 |
33位 | ウズベキスタン | 38.0 |
36位 | スロベニア | 37.8 |
37位 | ドミニカ | 37.5 |
38位 | タンザニア | 37.4 |
39位 | ドミニカ共和国 | 36.8 |
40位 | アルメニア | 36.5 |
41位 | オーストリア | 36.1 |
41位 | フランス | 36.1 |
43位 | アルバニア | 35.7 |
44位 | チリ | 35.5 |
45位 | 東ティモール | 35.4 |
46位 | ドイツ | 35.3 |
47位 | サンマリノ | 35.0 |
48位 | カメルーン | 33.9 |
48位 | ウガンダ | 33.9 |
50位 | ベラルーシ | 33.6 |
51位 | ルクセンブルク | 33.3 |
52位 | クロアチア | 33.1 |
52位 | ネパール | 33.1 |
54位 | ポルトガル | 32.6 |
55位 | 南スーダン | 32.4 |
56位 | イタリア | 32.3 |
57位 | 赤道ギニア | 32.0 |
57位 | ラトビア | 32.0 |
59位 | エルサルバトル | 31.7 |
60位 | スリナム | 31.4 |
61位 | グレナダ | 31.3 |
61位 | セントクリストファー・ネイビス | 31.3 |
63位 | カナダ | 30.7 |
63位 | マリ | 30.7 |
65位 | ベトナム | 30.6 |
66位 | エストニア | 29.7 |
67位 | ギニア | 29.6 |
67位 | ポーランド | 29.6 |
69位 | シエラレオネ | 29.5 |
70位 | コロンビア | 29.4 |
71位 | シンガポール | 29.3 |
72位 | イラク | 29.2 |
73位 | アメリカ | 28.7 |
74位 | トリニダード・トバゴ | 28.6 |
75位 | ウルグアイ | 28.3 |
76位 | ジンバブエ | 28.1 |
77位 | リヒテンシュタイン | 28.0 |
78位 | マルタ | 27.9 |
79位 | エジプト | 27.7 |
79位 | リトアニア | 27.7 |
81位 | ジャマイカ | 27.4 |
82位 | ホンジュラス | 27.3 |
82位 | フィリピン | 27.3 |
84位 | モンテネグロ | 27.2 |
85位 | タジキスタン | 27.0 |
86位 | バルバロス | 26.7 |
87位 | ベナン | 26.6 |
88位 | 中国 | 26.5 |
89位 | ジブチ | 26.2 |
90位 | チャド | 26.1 |
91位 | チェコ | 26.0 |
92位 | トルクメニスタン | 25.6 |
93位 | ガボン | 25.5 |
94位 | モンゴル | 25.4 |
95位 | アイルランド | 25.3 |
96位 | イスラエル | 25.0 |
96位 | レソト | 25.0 |
96位 | パラウ | 25.0 |
99位 | モロッコ | 24.3 |
100位 | パラグアイ | 23.8 |
101位 | ケニア | 23.3 |
101位 | モーリタニア | 23.3 |
103位 | ギリシャ | 23.0 |
104位 | ジョージア | 22.7 |
104位 | スロバキア | 22.7 |
106位 | ラオス | 22.0 |
107位 | セントビンセントおよびグレナディーン諸島 | 21.7 |
108位 | エスワティニ | 21.6 |
109位 | パナマ | 21.4 |
110位 | キルギス | 21.1 |
110位 | ウクライナ | 21.1 |
112位 | インドネシア | 21.0 |
113位 | アゼルバイジャン | 20.8 |
113位 | ブルガリア | 20.8 |
115位 | マラウィ | 20.7 |
116位 | セーシェル | 20.6 |
117位 | バーレーン | 20.0 |
117位 | バングラデシュ | 20.0 |
117位 | グアテマラ | 20.0 |
117位 | 韓国 | 20.0 |
121位 | サウジアラビア | 19.9 |
121位 | トルコ | 19.9 |
123位 | ヨルダン | 19.6 |
123位 | ソマリア | 19.6 |
125位 | カザフスタン | 19.4 |
125位 | モーリシャス | 19.4 |
125位 | タイ | 19.4 |
128位 | ルーマニア | 19.2 |
129位 | ボスニア・ヘルツェゴヴィナ | 19.1 |
130位 | トーゴ | 18.9 |
131位 | ブルキナファソ | 18.3 |
132位 | バハマ | 18.0 |
133位 | 北朝鮮 | 17.6 |
134位 | ブラジル | 17.5 |
135位 | パキスタン | 17.0 |
136位 | コモロ | 16.7 |
137位 | リビア | 16.5 |
138位 | ロシア | 16.4 |
139位 | マダガスカル | 16.0 |
140位 | 日本 | 15.7 |
140位 | チュニジア | 15.7 |
142位 | ベリーズ | 15.6 |
143位 | ミクロネシア | 15.4 |
144位 | ザンビア | 15.0 |
145位 | コンゴ共和国 | 14.6 |
145位 | ハンガリー | 14.6 |
145位 | サントメ・プリンシペ | 14.6 |
148位 | ガーナ | 14.5 |
149位 | キプロス | 14.3 |
150位 | インド | 13.7 |
151位 | カンボジア | 13.6 |
152位 | マレーシア | 13.5 |
153位 | コートジボワール | 13.4 |
154位 | サモア | 13.0 |
154位 | コンゴ民主共和国 | 13.0 |
156位 | マーシャル諸島 | 12.1 |
157位 | ブルネイ・ダルサラーム | 11.8 |
158位 | 中央アフリカ共和国 | 11.4 |
159位 | ボツワナ | 11.1 |
159位 | セントルシア | 11.1 |
161位 | リベリア | 11.0 |
162位 | ナウル | 10.5 |
163位 | スリランカ | 10.0 |
164位 | ギニア・ビサウ | 9.8 |
165位 | シリア | 9.6 |
166位 | フィジー | 9.1 |
167位 | ボツワナ | 8.7 |
168位 | ガンビア | 8.6 |
169位 | アルジェリア | 7.9 |
170位 | トンガ | 7.1 |
171位 | レバノン | 6.3 |
172位 | ソロモン諸島 | 6.0 |
173位 | アンティグア・バーブーダ | 5.6 |
174位 | イラン | 4.8 |
175位 | カタール | 4.4 |
176位 | ブータン | 4.3 |
177位 | ナイジェリア | 3.9 |
178位 | モルディブ | 3.2 |
179位 | パプアニューギニア | 2.7 |
180位 | バヌアツ | 2.0 |
181位 | オマーン | 0 |
181位 | ツバル | 0 |
181位 | イエメン | 0 |
181位 | エリトリア | 0 |
181位 | ハイチ | 0 |
181位 | クウェート | 0 |
181位 | モザンビーク | 0 |
181位 | ニジェール | 0 |
181位 | セネガル | 0 |
181位 | ベネズエラ | 0 |
日本は140位です。2024年衆議院選挙を経て、多少順位は上がりましたが、それでもかなり下位です。
世界の平均女性議員比率は26.9%
世界全体では、女性議員の比率は26.9%です。日本は衆議院・参議院合わせて15.7%です。
女性の人権が制限されている国も多いなか、世界の半分ほどです。
先進国の女性議員比率
では、先進国のなかでは日本はどうなのでしょうか。
※関連記事:参議院の女性議員:その存在意義の重要性、女性議員を増やすための取り組みと今後の課題を解説
G7(先進七か国)の女性議員比率(ランキング)
G7(先進七か国)のなかでの日本の立ち位置を見てみます。
国名 | 女性議員の割合(%) | |
1位 | イギリス | 40.1 |
2位 | フランス | 36.1 |
3位 | ドイツ | 35.3 |
4位 | イタリア | 32.3 |
5位 | カナダ | 30.7 |
6位 | アメリカ | 28.7 |
7位 | 日本 | 15.7 |
日本は7か国中、ダントツの最下位です。ほかの国が30%前後以上の中で、日本だけ10%台です。
OECD(経済協力開発機構)加盟国の女性議員比率(ランキング)
つづいて、OECD加盟国のなかでの日本の立ち位置をみてみます。OECDはG7を含めて全部で38か国が加盟しています。
国名 | 女性議員の割合(%) | |
1位 | メキシコ | 50.2 |
2位 | コスタリカ | 49.1 |
3位 | スウェーデン | 46.7 |
4位 | アイスランド | 46.0 |
4位 | フィンランド | 46.0 |
6位 | ニュージーランド | 45.5 |
7位 | デンマーク | 45.3 |
8位 | ノルウェー | 44.4 |
9位 | スペイン | 44.3 |
10位 | ベルギー | 41.3 |
11位 | イギリス | 40.1 |
12位 | オランダ | 38.7 |
13位 | スイス | 38.5 |
14位 | オーストラリア | 38.0 |
15位 | スロベニア | 37.8 |
16位 | オーストリア | 36.1 |
16位 | フランス | 36.1 |
17位 | チリ | 35.5 |
18位 | ドイツ | 35.3 |
20位 | ルクセンブルク | 33.3 |
21位 | ポルトガル | 32.6 |
22位 | イタリア | 32.3 |
23位 | ラトビア | 32.0 |
24位 | カナダ | 30.7 |
25位 | エストニア | 29.7 |
26位 | ポーランド | 29.6 |
27位 | コロンビア | 29.4 |
28位 | アメリカ | 28.7 |
29位 | リトアニア | 27.7 |
30位 | チェコ | 26.0 |
31位 | イスラエル | 25.0 |
32位 | アイルランド | 25.3 |
33位 | ギリシャ | 23.0 |
34位 | スロバキア | 22.7 |
35位 | 韓国 | 20.0 |
36位 | トルコ | 19.9 |
37位 | 日本 | 15.7 |
38位 | ハンガリー | 14.6 |
OECD38か国のなかで日本は37位です。
世界の女性大臣の割合(ランキング)
女性議員の割合が低くても、女性大臣の割合が高いという可能性もあります。
そこで、IPUがまとめた2023年時点の各国の女性大臣の割合を表にしました。
国名 | 女性大臣の割合(%) | |
1位 | アルバニア | 66.7 |
2位 | フィンランド | 64.3 |
3位 | スペイン | 63.6 |
4位 | ニカラグア | 62.5 |
5位 | リヒテンシュタイン | 60.0 |
6位 | チリ | 58.3 |
7位 | ベルギー | 57.1 |
8位 | モザンビーク | 55.0 |
9位 | アンドラ | 50.0 |
9位 | コロンビア | 50.0 |
9位 | オランダ | 50.0 |
9位 | ドイツ | 50.0 |
9位 | ノルウェー | 50.0 |
14位 | カナダ | 48.6 |
15位 | 南アフリカ | 48.1 |
16位 | スウェーデン | 47.8 |
17位 | ルワンダ | 47.6 |
18位 | ペルー | 47.4 |
19位 | コスタリカ | 45.5 |
20位 | ニュージーランド | 45.0 |
21位 | オーストラリア | 43.5 |
22位 | エストニア | 42.9 |
22位 | ラトビア | 42.9 |
22位 | リトアニア | 42.9 |
22位 | スイス | 42.9 |
26位 | メキシコ | 42.1 |
27位 | アイスランド | 41.7 |
28位 | ポルトガル | 32.6 |
29位 | エチオピア | 41.3 |
30位 | モナコ | 45.8 |
31位 | ドミニカ | 37.5 |
31位 | スロベニア | 38.5 |
33位 | ホンジュラス | 38.1 |
34位 | アンゴラ | 37.5 |
34位 | エルサルバトル | 37.5 |
34位 | ルクセンブルク | 37.5 |
37位 | ブラジル | 36.7 |
38位 | サントメ・プリンシペ | 36.4 |
39位 | セルビア | 36.0 |
40位 | フランス | 35.3 |
~ | ||
42位 | アメリカ | 33.3 |
~ | ||
64位 | イタリア | 26.7 |
~ | ||
82位 | アルゼンチン | 22.2 |
~ | ||
128位 | イラク | 14.3 |
~ | ||
164位 | 日本 | 8.3 |
~ | ||
182位 | アゼルバイジャン | 0 |
182位 | イエメン | 0 |
日本は最下位に限りなく近い位置にいます。
女性議員が極端に少ないだけでなく、女性閣僚も極端に少ないことが分かります。
女性議員の割合推移
女性議員の割合が増えだした時期を紹介します。日本も世界も、増加しはじめた時期はあまり変わりません。
IPU(Inter-Parliamentary Union)の調査結果を参照しています。
世界では1990年代から増加しつづけている
世界では1990年代に急激に女性議員が増加しはじめ、2000年代までに30-40%まで上昇した国もたくさんありました。
そこまで達しなかった国もたくさんありましたが、そうした国々も2000年代以降も上昇し平均して30%近くまで上昇しています。
日本も2000年から女性議員が増えはじめた
日本も2000年の衆議院選挙ではじめて女性議員が10%を越えました。
世界から数年遅れとはいえ、出だしはそれほど悪くなかったのではないでしょうか。
日本は2000年代で頭打ちしている
残念ながら10%を越えてからは女性議員の増加は止まっています。2009年に13%を越え、2022年にようやく15%を越えました。
世界とくらべて増加の仕方が非常にゆるやかです。
※関連記事:女性政治家の人数や割合
女性議員の役割と影響
政策決定における女性議員の影響力
女性議員は政策決定において重要な役割を果たしています。特に、社会福祉や教育、環境問題に関しては女性議員が中心となることが多いです。
例えば、スウェーデンやノルウェーでは、女性議員の積極的な働きかけによって、家族支援や子供の福祉に関する政策が進められました。
これにより、女性と子どもに優しい社会が築かれ、他の国々でも模範となる政策が実現しています。
社会的課題への対応:女性議員の視点
女性議員は、男性議員では見過ごされがちな社会的課題に対しても積極的に取り組んでいます。特に教育、福祉、環境問題においては、女性ならではの視点が生かされています。
- 教育: 女性議員は教育の重要性を強調し、全ての子どもたちが平等に教育を受けられるような政策を推進しています。
- 福祉: 児童福祉や高齢者支援に力を入れ、福祉政策の充実を図っています。
- 環境問題: 女性議員は環境保護や気候変動対策に対しても積極的なアクションを起こしています。
日本で女性議員の割合が低い理由
前述のように、日本は世界各国とくらべても女性議員も女性閣僚も極端に少ないです。
その理由をまとめました。
立候補者に女性が少ない
女性議員が少ない最大の理由は、立候補者に女性が少ないことです。
2021年の衆議院選挙では、女性候補者は17.7%に過ぎませんでした(内閣府男女共同参画局より)。当選した議員のなかで女性は9.7%にまで下がっており、これにより衆議院議員のなかで女性議員の人数・割合は選挙前から下がってしまいました。
女性議員が少ないので、結果的に女性閣僚も生まれにくいという悪循環です。
実際、女性議員の割合と女性閣僚の割合は同じくらいであり、仕事上の評価は「国会議員になりさえすれば男女ともに同程度」とも言えます。
世襲候補が当選しやすい
ではなぜ女性候補者が増えてこないのか。その理由のひとつに、選挙地盤の世襲制の課題があります。
選挙に強い(当選しやすい)のはやはり選挙地盤があり、世襲によって組織票を持つ議員です。1996年以降の国政選挙で、世襲候補の8割は当選しているそうです(日本経済新聞より)。
この点が、女性議員を増やしている外国の国政選挙とは異なっており、選挙のたびに問題視されています(神戸新聞より)。
選挙にお金がかかる
世襲ではない人物が政界に参加しようにも、「お金」の壁が大きく立ちはだかります。
1回の選挙で3000万円以上必要とされており(選挙活動の準備と費用)、選挙に出たからといって当選する保証はもちろんありません。落選すると無職です。
しかも当選後もパンフ送付や無償の講演会参加、事務所スタッフの雇用など多額の資金が必要です。
さらに、政治家という身分も3年に1回程度の選挙のたびにいったん失います。そしてまた3000万円の選挙費用が必要になります。
相当資金的なバックがないと、そもそも政治家を目指す・政治家でありつづけるのは大変です。
特定の立場にいる人が政治家になりやすいのが課題
まとめると、男性・女性というより、経済力や選挙地盤など特定の立場や状況にある人だけが国会議員になりやすい状況があるようです。
多様な立場の意見を政治に反映させるのが民主政治の根幹ですから、そういう意味では多様な立場の人がもっと政界に参加できるのが望ましいかもしれません。
多様な意見を吸収するのに困る政治家や政党も多いのではないかと思います。
各政党の個別努力だけでは限界か
女性議員の人数・割合を増やそうという動きはほとんどの政党でみられます。
※関連記事:政党ごとの女性議員の人数と割合
国会でも内閣でも女性の数は2000年以降、増えています。ですが、政党個々の努力では自ずと限界がありそうです。
どこまで女性議員の人数・割合にこだわるかは、その政党の方針によるでしょう。選挙に勝つことを最優先するなら、男女の区別なく「地盤」「看板」「かばん」の3つの「ばん」を備えている人を候補に立てたいでしょう。
どの政党が良い・悪いというよりも、国会議員が男性に偏っているのは社会の仕組みや選挙制度、政治の世界における慣習の影響も大きいように思います。
女性議員の増加に向けた取り組み
クオータ制の導入とその効果
クオータ制は女性議員の増加を目指す政策で、多くの国で導入されています。例えば、ルワンダやボリビアではクオータ制が成功し、女性議員の比率が急増しました。
この制度は、女性が議会で発言できる機会を提供し、ジェンダー平等を促進するために重要な役割を果たしています。
世界の成功事例と日本における課題
クオータ制を導入した国々では、女性議員の比率が増加していますが、実際にその制度をうまく活用するためには、他の社会的・文化的な要因を取り入れたアプローチも必要です。
日本ではクオータ制の導入が進んでいないため、他国の成功事例を学び、ジェンダー平等の実現に向けた改革が必要です。
女性議員の未来展望
未来の政治における女性議員の可能性
未来の政治では、より多くの女性議員がリーダーシップを発揮し、政策決定において重要な役割を果たすことが期待されています。
ジェンダー平等の進展により、女性政治家の数が増え、政治における多様性が広がることで、よりバランスの取れた社会が実現するでしょう。
次世代女性リーダーの育成
次世代女性リーダーの育成には、教育機会の提供や支援策が不可欠です。特に、政治教育やリーダーシップトレーニングを通じて、若い女性たちに政治に対する自信を持たせることが重要です。
社会全体で女性のリーダーシップを支える環境を整えることが、未来の女性議員の増加に繋がります。
Q&A: 世界の女性議員に関する質問と回答
Q1: 世界の女性議員の比率はどのくらいですか?
A1: 世界の女性議員の比率は年々増加しており、2024年の時点で、全世界の議会における女性議員の割合はおおよそ26%程度です。特に北欧諸国やルワンダなどは高い割合を誇っています。女性議員が増える背景には、政治参加を促進するための改革や、社会の意識改革が関係しています。
Q2: なぜ女性議員が増えているのでしょうか?
A2: 女性議員の増加にはいくつかの要因があります。
- クオータ制の導入:女性議員の数を増やすために、一定の割合で女性候補者を出すことが義務付けられています。
- 教育水準の向上:女性の教育水準の向上に伴い、政治家を目指す女性が増えています。
- 社会的意識の変化:ジェンダー平等への意識の高まりが、女性の政治参加を促進しています。
- 政治環境の変化:多くの国で女性の政治参加が評価され、制度改革が進んでいることが影響しています。
Q3: 女性議員はどのように政策決定に影響を与えているのでしょうか?
A3: 女性議員は、社会的な視点を取り入れた政策決定に貢献しています。例えば、
- 教育・福祉政策:女性議員は教育や福祉政策に積極的に関与し、家庭や子育て支援を強化しています。
- 環境問題:環境保護に関する法案では、持続可能な開発を重視した政策を提案しています。
- 健康政策:女性の健康問題、特に妊娠や出産に関連する政策に対して重要な貢献をしています。
女性議員の影響力については以下の記事で詳しく解説しています。
女性大臣の歴史と現状:日本の歴代内閣での女性大臣の人数と女性が任命された大臣職を紹介
Q4: 女性議員が直面している課題とは何ですか?
A4: 女性議員が直面する主な課題には以下のものがあります。
- 職場環境:議会内での性差別や、女性議員を不利に扱う文化が依然として存在します。
- 家庭との両立:政治活動と家庭生活を両立させるための支援体制が不足している場合が多いです。
- 社会的・文化的障壁:伝統的な性別役割に基づく社会的制約が、女性の政治参加を妨げています。
- 選挙への障壁:女性候補者が資金や支援を得るのが難しい場合があります。
Q5: 世界で女性議員の数が増えるためにどんな取り組みがされていますか?
A5: 世界中で女性議員の数を増やすための取り組みが行われています。
- クオータ制の導入:多くの国で女性候補者を一定数以上立候補させる義務が課されています。
- 教育・支援プログラム:女性政治家を育成するためのトレーニングや支援が行われています。
- 政策改革:女性議員がより多く選ばれるように、選挙制度や政治環境を改革する動きがあります。
- 社会的キャンペーン:女性の政治参加を促進するための意識改革運動も進められています。
Q6: 日本の女性議員の比率は他国と比べてどうですか?
A6: 日本の女性議員の比率は低いと言えます。2024年時点で、日本の国会における女性議員の割合は約15%程度です。これは、世界平均や北欧諸国に比べてかなり低い数字です。女性議員の増加には、クオータ制や選挙制度改革など、さらなる取り組みが必要です。
まとめ
世界の女性議員の割合をまとめて紹介しました。
世界では26.9%が女性議員です。世界200か国近いなかで日本は140位で、G7では最下位、OECD加盟国38カ国のなかでは37位です。さらに女性大臣の割合も164位とかなり低迷しています。
女性政治家の増加は世界より数年遅れではじまり、その後上昇カーブは極めてゆるやかなままです。
女性議員の人数が増えない理由として、女性を含めて、特定の立場にある人が国政に参加するのに大きな壁が立ちはだかっていると言えます。
コメント